脱毛で感染症がうつるって本当?安全なサロン・クリニックの選び方や対処方法を紹介!
今回は実際にあった脱毛での感染症被害や、感染症にかからないための対処方法などを、元脱毛サロン経営者が解説していきます。
1.代表的な感染症
感染症は細菌や真菌、ウイルスなどの病原体が体に侵入することで起こります
たとえば冬に流行しやすいインフルエンザやノロウイルス、梅雨の時期に増える水虫なども感染症の1つです。
感染経路は、原因となる病原体によって異なります。
感染している人に直接触れたり、感染者が触れたものに触ることで感染する接触感染、空気中に浮遊している病原体からうつる空気感染、くしゃみや咳からうつる飛沫感染が代表的です。血液を介して感染する血液感染もあります。
2.実際に起きた脱毛による感染症被
国民生活センターには、脱毛サロンを含むエステ業界で起きた健康被害が毎年600件以上も報告されています。
このうち約4分の1にあたる144件が、脱毛サロンで起こっているものです。144件すべてが感染症というわけではなく、割合としても非常に少ないものではありますが、脱毛サロンでなんらかの感染症に巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。
脱毛に使う器具は、何十人、何百人もの肌に触れているものです。もちろんどこのサロン・クリニックも必ず消毒を行っているはずですが、、それでもまれに感染症が起きてしまう例があります。
ここでは、これまで実際に起きた脱毛による感染症の事例について、いくつかご紹介しましょう。
2-1.脇脱毛で「腋窩多発性毛嚢炎」に
脱毛サロンで脇脱毛をした方が、腋窩多発性毛嚢炎(えきかたはつせいもうのうえん)を発症した例があります。
毛嚢炎とは、毛根を包んでいる毛包に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌がが感染することで起こる疾患で、脇にできるものをとくに腋窩多発性毛嚢炎と呼びます。
放置していても治りますが、数が多い場合や痛みが強い場合は抗生物質で治療します。
毛包に傷がついているときや、ステロイド剤を使用しているときなどに、より感染しやすくなることが特徴です。
2-2.ビキニラインの脱毛で「蜂窩織炎」に
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、レンサ球菌やブドウ球菌などが原因で起こります。
蜂窩織炎を発症すると、皮膚が赤く腫れたようになり、赤みや痛み、水ぶくれのようなものができることが特徴です。
蜂窩織炎を発症した方は、抗生剤の点滴と患部を切って膿を取り除く治療を行い、2週間の入院措置となりました。
2-3.VIO脱毛で「尖圭コンジローマ」に
見慣れないイボがあると思い検査したところ、尖圭コンジローマに感染していた例があります。
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルスが原因で感染するものです。
鶏のとさかのような形をしたイボができることが特徴で、自覚症状がほとんどないため感染に気がつかないことも少なくありません。
尖圭コンジローマは性感染症の1つで、性行為による感染経路がメジャーですが、このようにVIO脱毛で感染したという例もまれに報告されています。
3.サロンやクリニックではどのように感染対策をしているの?
サロンやクリニックのスタッフたちも、脱毛による感染には十分に気をつけています。
脱毛に使う機械は何人もの方の肌に触れるものなので、どうしても機械が菌やウイルスを運ぶ媒体となってしまうからです。
では脱毛サロンやエステでは、感染を防ぐためにどのような対策をしているのでしょうか。
3-1.脱毛に使う器具・機械は消毒
照射時に肌へ直接触れるヘッドは、お客様ごとにしっかりと消毒します。
また、お店の電気シェーバーを使うときも、必ず消毒してから使うのが基本です。
3-2.タオルやガウンはクリーニング
脱毛器具だけでなく、タオルやガウンも直接肌に触れますよね。
使い回しは避け、専門業者にクリーニングを依頼します。
3-3.紙ショーツやスパチュラなどは使い捨て
紙ショーツはもちろん使い捨てです。
また私がいたサロンでは、スタッフがつけている手袋も使い捨てでした。できるだけ使い捨てできる備品を用意して、感染リスクを抑えているところが多いですね。
3-4.体調によっては施術不可とする
たとえば生理中の場合は、経血を通して感染するリスクが高まるのでVIO脱毛は不可としているところがほとんどです。
脱毛を受ける段階ですでに感染症にかかっている方も、施術できません。
体調が優れない方やお薬で治療されている方も同様です。体調面で心配がある方は免疫力が低下しており普段より感染しやすい状態なので、体調をしっかり見極めて施術できるかどうかを判断します。
3-5.VIOの照射は最後にする
脱毛部位の中で、もっとも病原体がいる可能性が高いのはVIOです。
デリケートゾーンは湿気がこもって雑菌が繁殖しやすく、自分でも気がつかないうちに感染症にかかっていることもあります。そのため、VIOはお手入れのいちばん最後に照射するサロン・クリニックがほとんどです。
感染症対策は基本的にサロンもクリニックも同じですが、トラブルが起きた際に迅速に対処してくれるのは医師がいるクリニックですね。
3-6.脱毛部位を消毒する
私が経営していたサロンでは、照射前に脱毛箇所を消毒していましたが、私が通った別のサロンでは省略していました。サロンやクリニックで違いがあるようです。
4.リスクを最小限に抑えたい!感染症を予防する方法とは?
先にご紹介したとおり脱毛が原因でなんらかの感染症にかかった例は、いくつかあります。
ただし感染症になったとしても、サロンやクリニックに100%の責任があるかと言われると、そうは言い切れない部分もあるものです。
サロンやクリニックがいくら気をつけていても、体調不良や生理前後の報告をしてもらえなければ感染症を避けようがありません。
このことも踏まえて、感染症のリスクを減らすための方法をご紹介していきます。
4-1.清潔なサロンやクリニックを選ぶ
契約前のカウンセリング時に、お手洗いを含めて店内の清掃が行き届いているか確認しましょう。
目に見える範囲の清掃すらできていないサロンやクリニックは、お客様の目に入らないところの清掃はもっと杜撰な可能性もあります。
スタッフの身だしなみチェックも重要なポイントです。爪や制服の汚れも注意して見てみましょう。長い爪は菌がたまりやすく不潔ですし、爪で肌を引っ掻いてしまう可能性があるため、衛生上よくありません。
また消毒方法など、気になることがあればどんどん聞いてみましょう。すぐに答えられるかどうかも、サロン・クリニックを見極めるのに役立ちますよ。
4-2.持参できるものは自分のものを使う
他人との共用を極力避けることで、感染症のリスクを減らすことができます。もしも店舗で用意した電気シェーバーを使っているのであれば、すぐに中止し、自分専用のものを持参しましょう。
電気シェーバーでケガをすることはあまりないものの、万が一ケガしたときに付着した血液が原因で感染しないとも限りません。
自分の電気シェーバーを使いたいとスタッフに伝えれば快諾してくれると思うので、頼んでみてください。
気になる方は、タオルも家から持ってきたものを使うと良いですね。
4-3.体調が良くないときは脱毛しない
体調が万全の状態でないときは、脱毛は避けましょう。
免疫力が下がっている方が脱毛すると、正常な人であれば問題ないことでも刺激になりトラブルを起こしてしまいます。
「せっかく予約したから…」と我慢して脱毛すると、思わぬ感染症にかかって学校や仕事を休むはめになるかもしれません。
5.感染したかも?と思ったらやるべきこと
脱毛部位の赤みが引かなかったり、できものができたり、何かいつもと違うなと感じることがあれば、すぐに医療機関を受診してください。
クリニックに通っている方は、施術を受けたクリニックに連絡して判断を仰いでも構いません。
サロンに通っている方は、サロンに相談するか、直接、医療機関を受診しましょう。
どちらにせよ症状がひどい場合は医療機関の方が早急に処置をしてくれるので、どこに通っているかは関係なく、まず受診するのがおすすめです。
何が原因で症状が出たのかをできるだけ医師から聞いておいてくださいね。
受診が終了したら通っているサロンやクリニックに診断結果を伝え、今後の対応をどうするか決めます。
必ずとは言い切れませんが、責任の所在がサロン・クリニック側にあることが証明できれば、返金や治療費を受け取ることも可能です。
6.感染症が心配な方は家庭用脱毛器がおすすめ
不特定多数の方が通う脱毛サロンやクリニックでは、感染症が起きる可能性は非常にまれであるとはいえ、ゼロではないのが現状です。
もしも感染リスクが怖くて脱毛に踏み出せないのであれば、家庭用脱毛器を検討してみてはいかがでしょうか。
家庭用脱毛器とはその名の通り、自宅で脱毛できる器具のことです。自分しか使用しないので、知らない方の病原体がうつる心配がありません。
自分専用の脱毛器として使えるので、他人と同じ機械で脱毛するのに抵抗がある方や衛生面に不安を抱えている方にもおすすめです。
しかも自分が好きなタイミングで脱毛できますし、納得がいくまでお手入れを続けられるので、スケジュール面でも費用面でもさまざまなメリットがあります。
気になる方は、ぜひ検討してみてください。
7.脱毛での感染リスクはとても低い!それでも気になるなら家庭用脱毛器
何度もお伝えしていますが、光脱毛やレーザー脱毛で感染症になることはほぼありません。
これまでに感染症が報告された例でも、責任の100%がサロンやクリニックにあるとは言い切れないものもあります。
むしろ施術時に出血するリスクが高いニードル脱毛や脱毛ワックスのほうが、感染する確率が高いです。